ほしばなし

JK & JMに触発されて書いた、短いお話

 

ここ最近、JKはずっと同じ歌を歌っている。

今も、食べた後の皿をキッチンに運びながら、その外国語の歌を器用に歌っていた。

一度は習ったことのある言語で、「とっても」や「夜」という単語は自分にも拾えるが、全体像はよく分からない。

 

どういう歌詞?

 

食洗機にグラスを入れながら聞いたものの、返事はすぐに来なかった。

顔を上げて横にいる気配に目をやろうとしたその時、長い指がシャツの裾ごと臍のあたりを撫で上げてきて、思わず変な声が出た。

 

こんな感じ。

 

慌てて相手を見ると、JKは下げていた視線を上げ、目を見てそう言った。

どんな感じだよ、とJMは濡れたままの手を握って、相手の胸に強めにぶつけた。

 

目線を外すのは、甘える時の彼の癖だ。

また歌を口ずさみだした相手を、JMは優しく押しやった。

 

今回の海外での仕事はそれほど長くない。

彼がこの歌を歌い飽きるまでには、帰ってこれるだろう。

 

それまで、寂しがり屋のこの子を守ってよ。

JMは心の中で歌に祈った。