ほしばなし

JK & JMに触発されて書いた、短いお話

隠しごと

可愛いな、もう

 

細長く腫れた腕の傷が目に入るたび、口許が緩んでしまう。

 

人目につく場所になにも痕が残らないよう、こっちは普段から気をつけてるというのに。

 

久しぶりの再会に大興奮の黒い相棒に、そんな気遣いができるはずもなかった。

 

明日の出発に備えてクローゼットの扉にかけてある半袖のシャツを見て、JKは数時間前の会話を思い出していた。

 

上に何か着ていかなくていいの?

 

その問いに対する返事は

 

「別に隠すほどの事でもないから」。

 

何気ないふうを装ってそう言った後、JMが自分の反応を伺うように、チラとこちらを見たのを見逃さなかった。

 

可愛いな、もう

 

JKは、眠っている彼の柔らかな腕の内側に走っているピンクの線を、そっと指でなぞった。