ほしばなし

JK & JMに触発されて書いた、短いお話

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

階段

渋滞にはまってしまった車は、さっきから少しも進んでいない。 並び建つ摩天楼に反響してか、クラクションの音が閉じた窓越しにも聞こえてくる。 こういうのがNYでは日常茶飯事で、と案内役の女性が前の席から声をかけてくる。 JMは気にしていませんよ、とい…

波に揺れる

「はやく」 余裕をなくしたその声が、自分かJMかどちらのものかわからないくらい、肌も心も密着している。 相手の吐息が肩のあたりで砕けるのを感じながら、JKは思った。 はやく。 自分はどうしていつも急いでいるんだろう。 はやく、上手くなりたい はやく…

JKは、誰もいない部屋にひとりでいた。 そして、鏡に映った自分の姿を見てやるせない気持ちになってしまっていた。 小さくしぼんだ姿で目の前に立っている子供のような自分とは、とても目を合わせることができない。 唇を重ねたのは衝動が引き起こした行動で…