もうすぐ迎えが来るというのに、ギリギリまでベッドで過ごしていたせいで、シャワーを浴びる時間もなくなってしまった。
洗面台の前で慌てて手櫛で髪を整えているJMの後ろに立つと、髪からふわりとシーツの匂いがした。
髪、結んでいけば?
怪訝な顔で自分を見るJMの視線を無視して棚に置いてあったゴムを取り、相手の頭頂辺りの髪を束ねてみると、頭に尻尾が生えたみたいな格好になった。
されるがままのJMはといえば、窺うような表情は一瞬で、自分自身の頭を見てカラカラと笑った。
お前もやれよ
湿り気の残る寝室の匂いを嗅いでしまうと、仕事なんて放っておいて、ふたりであそこに戻りたくなってしまう。
そんな気持ちを分かっているかのようだった。
そんなところが好きで
そんなところも好きだ
今日の分の好きは、もう伝えたんだっけ
自信がなかったので、JKはその尻尾に顔を近づけ、匂いを確かめ、最後に唇をつけた。