ひとりで大舞台に立つ君に
僕の歌声を持たせよう
何でも上手くこなす君に
僕のダンスを捧げよう
でもたまに風邪を拗らせたりする君に
画面越しに視線を送ろう
こんな僕に心をくれる君に
持てるものを全てあげたい
飛行機は予定通りに到着したようだし、自分自身何度も行き来したことのある道のりなので、相手がいつ頃帰ってくるか分単位で分かっている。
けれどJMは、あえてソファの上にだらけた格好で寝そべっていた。
果たして、心のなかのカウント通りにドアが開き、脇に大きい荷物を置いたJKが
タターン!
という感じで両腕を開く。
JMは、わざと半秒ほど間を置いて顔を向けると眉を上げ、おかえりと言った。
飛びつきたいのを我慢している。
揺れる瞳が、そのことをバラしてしまってなければいいのだけれど。