59、58、57...
胃を搾り上げられるような痛みを感じる。
JMは小さくうめいてベッドの上で寝返りを打った。
真っ暗だと目眩がするので、寝室のドアは開けておいてくれと頼んだ。
暗闇の中、四角く切り取られた空間から、リビングのソファーとそこに座るJKが見える。
44、43...
ムードランプの明かりがゆっくりと天井の色を変えていく。
ベッドの脇には几帳面にビニールがセットされたゴミ箱が置かれていた。
まったく、こんな夜に食べ過ぎで倒れるなんて酷すぎだった。
36、35、34...
こんなことになるなら、食欲を満たすことを優先させするんじゃなかった。
自分達のリストには、他にも沢山するべきことが書き込まれていたのに。
自分と入れ替わりで、これから相手は忙しくなる。今晩一晩だって貴重な時間のはずだった。
22、21...
けれど、携帯でネットをザッピングしているらしいJKの顔は、それほど気落ちしていないように見えた。
もしかして...
JMは軽く眉をひそめた。
あいつ、わざと大量に料理を作ったんじゃないか。
自分をこのベッドから逃がさないために。
10、9、8、7...
だとしても
「おれの勝ち」
JMはベッドの側にやって来た相手に言った。
何が?という声は口元にかかる吐息と共に聞いた。
賭けをしてたんだよ。
1分以内にお前が来て、それで。
互いの唇が重なって、小さく湿った音をたてた。